2016年 03月 12日
あたりまえのこと
震災後、知った詩でした。
それ以降何度も朗読しています。
そして、朗読教室で、
ボイストレーニングで、
様々なリーディングの機会に、
皆さんと何度も輪読しました。
声に出してぜひお読みください。
黙読よりも深く、身体に入ります。

あたりまえのこと 矢野竜広
太陽が昇ること
自分の歩幅で 歩けること
ギターを好きなように弾けること
時間を 共に過ごせる友達がいること
思いっきり ボールを蹴り飛ばせること
電車に乗れること
自分の目で ものが見えること
信号を渡れること
まわりに 笑顔があること
目を閉じれば 好きな場所に行けること
寂しいと 感じられること
いろんな人が 世界にいること
家族と一緒に 食事をとれること
明日になれば 明日がくること
空がずっと 消えないこと
トイレに 紙があること
自分の話を聞いてくれる人がいること
店に行けば ものが食べられること
書いたものを 消しゴムで消せること
深呼吸できること
時間が 死ぬまでは残されていること
階段を登れること
花の香りをふと感じられること
波の音が 耳に入ること
何もかも忘れて 笑えること
歯磨きが できること
ぼんやりと 考えたり出来ること
太陽が沈み 月が見えること
当たり前のことなんて
何ひとつない
当たり前に思えてしまうこと
そのひとつひとつが
本当は 奇跡
***
日曜日、この詩を5人で輪読します。
前の人から受け取って、次の人に
渡すための読み
人から人へ繋げていく輪読
この詩はそれが一番ピッタリ
くる気がしています。
by 7colorsvoice88
| 2016-03-12 00:02